ジユウダイ

2012年4月に、札幌大谷大学芸術学部が設立されたことを機に始まった「共同制作演習」。これは、音楽学科と美術学科の学生が共同で作品制作をする授業(3年次の学部共通選択科目)で、前期は舞台、後期は映像に取り組み、完成した作品は一般公開されます。両学科の特徴を取り入れ融合させたこの授業は、全国でもあまり類を見ない試みなのだそうです。

昨年発表された、オペラ『フィガロの結婚』より

王子タミーノを助ける、夜の女王の侍女。

パミーナとパパゲーノの美しい2重唱。

二年目となる今年は、演目としてモーツァルトのオペラ『魔笛』(ハイライト版)に挑戦。7月25日に、札幌大谷大学 大谷記念ホールで上演されました。
キャストには、声楽と音楽療法専攻の学生や卒業生、そして夜の女王役にNPO法人札幌室内歌劇場から土本麻生さんが出演。声楽コースで教鞭をとる則竹正人さん(札幌室内歌劇場)も、パパゲーノ役として最後に登場し、会場からは大きな拍手が。

舞台美術や衣装等は、美術学科の学生が担当。油彩、日本画、版画、写真・映像専攻、グラフィックデザイン、情報デザインの学生が、まずオペラや舞台美術の歴史について学び、実際にDVDなどで『魔笛』について理解を深めるところから授業スタート。その後、各班で案を練り、両学科全員の投票で1点を選出するコンペ形式で最終的な舞台案を決定していきます。

夜の女王のアリア。超絶技巧にウットリ。

ザラストロのアリア。豊かな低音を堪能。

嘆くパミーナを見守る 3人の童子。

各シーンの間の物語は人形劇で紹介。

パパゲーノとパパゲーナの陽気な二重唱。

美術学科の学生も全員登場したフィナーレ。

目を引くポスタービジュアルや、登場人物相関図などを交えて丁寧に解説されたパンフレットは秀逸で、これに興味を引かれて足を運んだ方も多いのでは。また、それぞれの美的感覚や特技をいかしたオブジェが、劇団千年王國代表の橋口幸絵さんの演出によって、効果的にシーンを変えていく舞台装置として見事に機能。特に、ラストに現れた太陽の世界は印象に残っています。登場人物のキャラクターを表現した衣装の数々も、全て手作りと聞いて驚きました(夜の女王のドレスまで!)。

専門分野の垣根を越えて一つの作品をつくることで、共通言語を持たない人に何かを伝える術を学んだり、お互いの分野の魅力に触れたりすることのできる「共同制作演習」。4カ月という期間でゼロから取り組むだけに、先生曰く「ここまで学生が追い込まれる授業はない」とのことですが、そうやって真剣に取り組んだからこその感動が、フィナーレで見ている側にも伝わってきました。来年度も、ぜひ多くの学生に挑戦してほしい授業です。1月には、同じく共同制作演習の映像作品が一般公開されますので、興味を持たれた方はこちらにも足を運んでみてください。
(写真提供:札幌大谷大学芸術学部美術学科)

※本取り組みへのお問い合わせは、
札幌大谷大学芸術学部美術学科 美術学科研究室(TEL/FAX 011-742-1839)までお願いいたします。

好評だったポスタービジュアル。

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