ジユウダイ

3月24日に北翔大学北方圏学術情報センターPORTOにて開催された、北海道文教大学明清高等学校DANCE部・北海道札幌新川高等学校ダンス部 合同公演(主催:北翔大学北方圏学術情報センターポルト共同研究プロジェクト 舞台芸術研究グループ)。

それぞれの顧問を務める柴田詠子さんと小川恵子さんは、今年1月に開催されたJCDNダンス作品クリエイション&全国巡回プロジェクト『踊りに行くぜ!!』Ⅱにも参加していた現役のダンサーです。
両部活の交流は、お二人がワークショップで知り合ったことをきっかけにスタート。昨年秋に制作された、歌詞を意識してダンスをつくることに取り組んだ『天体観測』(本公演のエンディングで披露)の次のステップとして、「詩を題材に、曲の制約を受けずにダンスをつくる」ことに挑戦。
選んだのは、高校の国語の教科書にも掲載されている茨木のり子さんの『自分の感受性くらい』。本作の監修として、振付のほか講師としても活躍されているダンサーの渡部倫子さんを迎え、昨年12月から創作が始まりました。


ところが当初、それまでヒップホップやジャズダンスを中心に練習してきた子どもたちからは「こんなことをやる意味がわからない」という厳しい反応が。そうして、なかなか練習が進まないでいたある日、詩を読んで感じたことを素直に話してくれた子がいたそうです。「詩の作者は自分の感受性についてきちんと客観視しているのに、自分たちは自分自身と向き合うことから逃げている。自分の意見を否定されたり仲間外れにされたりすることが怖くて、自分で考えることを手放している、と。
それをきっかけに少しずつみんなから意見が出るようになって、“ツイッター”や“仮面”などのアイデアが出たことで、一気に構成が決まりました」と柴田さんは語ります。

 

お互いに楽しく過ごしながら、当たり障りのないツイートをしあう彼女たち。自分の想いや考えを発信することへの恐怖、個人の考えよりも所属する集団の意思を重視してしまうことへの違和感…それらを隠すために、彼女たちは仮面をかぶるのです。そして、舞台上に描かれる一見楽しそうな光景は、ある瞬間を境に不穏なものへと変貌していきます。

「作品をつくる過程は、まるで、仮面を脱いで素顔になるのと同じようなものだと思いました。そして、彼女たちにとって、それはとても勇気がいることなのだと実感しています」と、小川さん。
自分に向き合い仮面を外す勇気を持つこと、そして、他者を受け入れながら前へ進んでいくこと…
それらが静かに表現される後半は、自身を舞台でさらけ出すということの第一歩を踏み出した、彼女たちの内面を見ているようでもありました。
訪れていた多くのクラスメイトも、あのとき、言葉にし得ない何かを受け取ったのではないかと思えるくらい、熱を帯びた沈黙が会場に流れたことも印象に残っています。

公演終了後には、「今までの自分を変える作品になりました」という声も挙がったそうです。この経験を活かして次の創作の準備を進めながら、今後はさらに多くの高校のダンス部とも交流していきたいとのこと。
会場には他校の演劇部の子たちの姿もあり、同世代の異なる表現に触れてどう感じたのかも気になるところです。


※本公演へのお問い合わせは、
goudoudance@yahoo.co.jpまでお願いいたします。

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