ジユウダイ

3月9日、10日の二日間、サンピアザ劇場で開催された若者舞台芸術祭2013『Sapporo MixArt』。
2回目の開催となる今年は、「舞台芸術の開かれたコミュニティをつくり、世代やジャンルをこえた交流の場にしたい」という想いのもと、高校生による演劇やダンス作品のほか、札幌市内で活動する劇団と高校生との共同制作作品などを上演。観客の年齢層も、出演者の友達と思われる高校生や、小さなお子様連れの方からご年配の方までと幅広いことも印象的でした(私は10日公演を観劇)。

今年のもう一つの特徴は、それぞれの演目を暗転などでつなげ、『Sapporo MixArt』という一つの舞台作品として見せる試みがなされたこと。
その点でアイデアが光っていたのは、音楽番組の放送中に起こるハプニングを描いたコメディー『ミュージックアート』(劇団ラフスパイス×Nana's Band×上田龍成)。

前の演目も自身の作品に取り込むという「Mix」を体現した見せ方は、実にスマート。劇中ステキな演奏を聴かせてくれたNana’s Bandは、今春高校を卒業したメンバーによる4人組のバンドで、当初演奏のみで参加する予定だったところ劇団とのコラボレーションが決定、そのままバンド役として初の演劇作品への出演となったそうです。

札幌山の手高校演劇部『天国まで』

札幌山の手高校演劇部『天国まで』

劇団ラフスパイス×Nana’s Band×上田龍成『ミュージックアート』

劇団ラフスパイス×Nana's Band×上田龍成
『ミュージックアート』

劇団オガワ×OKL『娯都市Ⅱ』

劇団オガワ×OKL『娯都市Ⅱ』

そしてこの日、本芸術祭の可能性を一番感じさせてくれたのは、劇団オガワと札幌市立月寒高校に通う3人組音楽ユニットOKLによる『娯都市Ⅱ』。
アトラクションを全てクリアすると人生が変わるというジンクスがあるアミューズメントパーク「娯都市」。物語は、ここに一人の少女(演じるのはOKLの小笠原五月さん)が訪れるところから始まります。いい加減だけど気は優しい社長や、新人スタッフたちによるヘンテコなアトラクションを無事全てクリアし、少女は夢だった音楽オーディションを受けることに。
彼女がサンピアザ劇場の約150人の観客を前に『Country Roads』をアカペラで歌うシーンは、物語の少女だけではなく、役を演じた彼女自身の何かが変わる瞬間を見ているようで、ぐっとくるものがありました。

今回、劇団との共同制作に参加した高校生は、全員演劇初挑戦。9日の公演や10日の『マーブルライン』(集団歯ぎしり×白鷺桜優×吉田茜×TRIFORCE)に声優専攻の子どもたちが出演した、クラーク記念国際高等学校の福島啓友先生に「子どもたちが本芸術祭に参加できて良かった点は?」と質問したところ、「30分の舞台でも準備には膨大な時間がかかることや、俳優のすごさを舞台上で知ることができたこと。そして、親でも先生でもアルバイト先の人でもない大人の“本気”を間近で体験することができたことです」という答えが返ってきました。「彼らは時間も希望も限りない存在。表現をしたいと思っている子は多いと思うので、次回はたくさんの生徒に参加を勧めたいです」とも。
クラスメイトが舞台に出演することは、周りにとっても刺激的な出来事かもしれません。舞台芸術に触れる入口として、素晴らしい可能性を秘めた『Sapporo MixArt』。皆で一つのイベントをつくり上げるという経験の場としても機能するよう、実行委員会メンバーとしての参加も大歓迎とのこと。
興味を持たれた方は、主催の札幌市豊平若者活動センターにぜひ問い合わせてみてください。本芸術祭、これから更にパワーアップしていきそうで楽しみです。

(画像提供:札幌市豊平若者活動センター)

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